日本語では語りかけ、英語ではプレゼンする

英語に加えて日本語でもブログ更新するようになりました。いったい母国語(日本語)で書くときと英語で書くときと何が違うのか、というと、話題やら文法やらよりも、どんな人を読者として想定しているか、を無意識に使い分けているようです。

英語で書く場合:プレゼンテーション

英語の内容は、とにかく誰が読んでも分かりやすく、ロジカルに主張が構築できていて、それでいてコンパクトにまとまり、なおかつ多少のユーモアを混ぜられるか、と意識しています。これはそのまま、プレゼンテーションを作成する際の心がけにつながります。もちろんブログは文章主体なので、ブログ内容をそのままプレゼンにしてしまうと日本企業でよくある「プレゼン文書」になってしまうのですが。

これはなぜかというと、英語で読む人の背景がまるで読めないからです。英語を話す人はまだアメリカ・ヨーロッパ主体かもしれませんが、読むだけなら世界中の人が読みます。世界一英語が下手なはずの日本人の方だって読むだけなら大体の人ができる(と思います)。なので、細かいニュアンスは抜いても話の骨子は誰が読んでもわかるように心がけています。

日本語で書く場合:語りかけ

日本語の場合は多少違うようです。自分で意識した訳ではないのですが、どうも文章を書いている最中に、日本語の場合は特定の読者に伝えることを念頭に置いているようなのです。僕の場合、それは昔の自分です。何も分からずうろうろしていた昔の自分に、現在の自分がわかっていることを伝えたい、そういう動機が働いているようなのです。

なので、日本語で書く場合には必ずしもロジカルに物事が進むとは限りません。相手が受け入れてくれるかどうかがポイントなので、時には感情を混ぜたり、だらだらまとまりなく続いたり、事情を知らない人には意味不明な言葉が入るでしょう。でも、英語の場合と違って、日本語の場合は読んでくれている人の顔がイメージできるのです。いや、正確には、イメージしてしまうのです、自然に。かつての自分だったり、友達だったり、とにかくリアルな顔が脳裏に浮かんでしまいます。

結論:両者平行

どちらがいいとか、どっちかにしようかとか、は考えていません。ただ、日本語で表現することと英語で表現することの間に、同じ人間である自分の中ですらこれだけはっきりとした違いがあるのか、と自分でも少し驚きました。同じ内容を違う言語で表現するわけではないのですね。目的から(無意識に)異なってしまっているのです。当然、話題を同じに設定しても内容も言葉遣いも違ってくるでしょう。

翻訳する際も、「プレゼン」と「語りかけ」の違いを念頭に入れて行うと、もっともスムーズにいくのかもしれません。自分の例を一般論に変えてしまうのは危険だと承知しているつもりですが。