僕ら日本人には同じように見える英語の書き手にも癖がいろいろます。今回は僕が読書を通じて英文を学習する際、参考としている人たち、あるいは書物を紹介します。といっても体系だって英語の書き方を教えている人たちではありません。実に上手に英語という言語を使っている、と(僕が言うのもなんですが)感じる方々です。
スタートアップとベンチャー投資の権威、Guy Kawasakiを一押しします。日系アメリカ人であるせいか、彼の英語には妙な癖がありません。日常語を駆使し、そのうえで明確なロジックを組み立てます。ストレートでありながら、嫌みがいっさいありません。そしてユーモアにあふれています。彼のフェースブックやグーグル+をフォローして速報を受け取るのもよいですし、著作を一冊買うのであればまよわずReality Checkをお勧めします。彼の近年の著作活動の集大成と言える本で、スタートアップに興味が無くてもためになる洞察にあふれています。
出ましたあのStephen King。国際空港にいけば棚が一列埋まる作家です。でもここで一押しするのは彼の小説ではありません。On Writingという、文章を書くことについてのエッセイです。彼の子供時代の伝記でもあります。どうやって作家が形作られたのか、書くとはどういうことか、がユーモアを交えて(とても重要です)語られます。
ウェブ界隈では知らぬもののない人です。Y Combinatorという、早く安くうまくスタートアップ起業を排出する。彼のエッセイはスタートアップのみならず、世の中の現象を分かりやすく解き明かしてくれるのが特徴です。まずはすみからすみまで読んでみてください。エッセイのいくつかは本にまとまっていますが、ウェブで読んでしまったほうが良いでしょう。
つい、英語の使い方というテクニックの方に目が向いてしまいますが、面白い内容でなければ英語の読書なんてめんどくさいこと長続きしません。教材として一番肝心な点はそれ自体が面白いかどうかだ、が僕の持論です(日本教育のまずさの一つは、教科書の異常なつまらなさにあります)。ここにあげた例はどれも、僕に「目から鱗が落ちる」体験を与えてくれました。Guy Kawasakiからはスタートアップ、シリコンバレー、起業について。Stephen Kingからは文章を書くことについて。Paul Grahamからは世の中の現象を読み解く方法について。
ここにあげた方々の著作の多くはウェブで無料で読めます。
教材の面白さを利用して英語を学ぶ方法については別のエントリーでも紹介します。