ライブドアの件で

久しぶりに更新して、また日本語でも書きまじめます。中国語ではいつになるのか。。。。台湾に住んではや1年ちょっとになるが、「書く」のはいまだに鬼門だ。精神的に苦手なんだろうけど、中国語で書く、と想像しただけで心臓の動悸が早まるのがわかる。うーん。

ちょっと外した時事ネタで、ライブドアの一連の騒動について。
あの社長が犯した最大の罪は、これから会社を興して一旗あげようとする連中が資金を得るチャンスを潰したことだと思う。これからしばらく、起業家にとっては「死」の時代が続くのではないか、とそれが不安だ。金はないけど若くてやる気とアイデアがある、それを武器にしようとしたらどっこい、それだからこそ「いや、遠慮しときますわ」と銀行から言われてしまうんだろう。
堀江氏は力があるからいずれ這い上がるのだろうが、僕がもし起業家で、この事件のおかげで起業計画が潰されてしまったら彼を許さないだろう。彼に全ての責任はないのを百も承知で、それでも許さないだろう。

よくわからないのは、日経の株価全体が一時急に下がったことだ。ライブドア一社だけなのに、なぜ?外国の投資家が日本の株を売ったのが原因だ、とおぼろげに聞いた。東証が本当にあわてたのは、ライブドアの株が落ちたことより(当然だ)、全体が大きく影響を受けたことなんでは?腐ったリンゴを取り去ったはずなのになんで安く見られるの?と。気になる。

ウェブを散策しているうちにこんな文章に当たった。
伊藤直也
ライブドアの直近の財務諸表なんかを見ると確かに証券周りなどの売り上げの占める割合が多かったりもしますが、その企業の設立当初から今に至るまでその屋 台骨を支えてきたのは間違いなくライブドアが持っている確かな技術で、日本のウェブ関連企業の中でもその技術レベルの高さは、その辺でなんとか 2.0 だとか声高に言ってる企業なんかよりも遙かに高いと思ったほうが良いでしょう。
おおそうだったのか、全然知らなかった。
梅田望夫
「粉飾したかどうか」とかそういうこととは別問題として、ライブドア経営陣は、少なくともある時期以降、自社の成長を、M&Aと提携戦略とブランド戦略(堀江ブランド)を軸に、スピード速く展開しようとした。自社が有する「高い技術」は、それを支える「基盤技術」として位置づけた。誰も持ち得ない「戦略技術」を開発し、それで道を切り開こうとする「技術指向の経営」ではなかった。
ああ、すごく納得。前の文章を読んだ後では余計に。

技術がものすごくても、それを武器にしよう、という発想はあまり日本ではないようだ。戦略以前に、多分、自分たちがどの進んでいるのか、それとも遅れているのか、よくわかってないんじゃないだろうか。たとえば以前、、携帯電話でこのことを感じた。3年前の日本の携帯電話は、世界の最先端を突っ走っていた。今Nokiaが宣伝しているビデオカメラ型の携帯よりもっとすごいのを、松下が発売したばかりだった。見るたびに「なんでこれを海外に出さんのだ?」と疑問に感じつつも、「きっと海外では興味ないんだろう」と思い込んでいた。
今、NokiaやMotorolaやSamsungが機能てんこ盛りな携帯電話を出していて、逆に日本の携帯の方がコピー商品に見えてしまうくらいだ。「もっと早く、がんがんに海外進出すりゃよかった」と泣いている日本メーカーの担当者がいっぱいいるのでは?

また、ちょっと前にとある台湾の方から言われた。「日本は一番いいものはいつも国内にもちますよね。台湾では一番いいものは輸出にまわしますよ」
これは「そもそも外の様子がわかっていないから、出すべきものがあることもわからない」という現象のことを指しているのだろうか、とふと考えた。本当はどうだろう。最先端のものはいつも国内消費、は確かにそうだけど、それはどれだけ意図的な行為なのだろうか?

もといライブドアについて。他には特に気になるところはないです。あ、堀江氏のブログを拝見。コメント数が4桁を記録したのを見たのは初めてだ。すごい。これだけのアクセスをこなせるのだから、ライブドアの技術力は確かにすごいのだろう。これを売り文句にして商談をしているライブドアのセールスマンが絶対にいそうだ。