Old City Gate

エルサレム旧市街の門の前に来た。

一方通行の標識があるとおり、車が通れるのだ。実用的といえば実用的だ。歴史的建築物が生活の一部となる、というのはこういうことだ。しかもヤンキースの松井など比較にならぬニキビ面をしている。これはいったいなんなのだ、と聞くと、答えは当然「昔の戦争の名残だ」。
2-30年前までこの地域はイスラエルに属していなかったことを雄弁に物語っている。
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クローズアップ。銃弾の直径よりも大きく、壁がえぐり取られている。映画では、機関銃で撃たれると小さく丸く黒い穴がぽつぽつ空くだけだ。でも現実にはこのように肉が大きくえぐられることになるのだ。
その昔、中学校の国語教師が語ってくれた話を思い出した。彼の父親がすんでいた町は第二次世界大戦中にアメリカの戦闘機から機関銃で攻撃されたそうだ。爆弾を落とされただけではないのですね。機関銃で撃たれると、そのまわりの肉が直径10~20cmくらいのおおきさでぼっこりとそぎ落とされるのだそうだ。件の父親は友達と一緒に川原に伏せて戦闘機をやり過ごそうとしたが、横に寝ていた友達は弾を頭にくらって破裂した、と聞いた。
なので戦争映画でよく見るシーン、ランボーやコマンドーがヘリコプターからマシンガンで敵をなぎ倒すシーン、あれは全部嘘だそうだ。撃たれた後に人間の形をとどめているはずがない、と。
てなことをイメージしながら壁を眺めた。どんな戦争だったのだろう。
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門の内側。昔すんでいたマルタ島の首都、バレッタも城砦の上に作られた町だった。とてもよく似ている。
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