性懲りも無く旧市街について。
迷路のようになっている、という陳腐な言い方が本当にぴったりくる町並みだ。どこに通じているのかわからない小道、というものに昔から強く惹かれてきた自分にとっては、ただたださまよっていたい、いつまでもここにいたい(明るいうちは)、とそこにいるだけで幸せな気分になれた。
アラブ系の家族が見える。信心深いお父さんお母さんと、小さい子供たち、というのがよく見る組み合わせだ。人がリアルに住んでいるのだ、と何度言い聞かせても、まだ少し不思議な違和感にとらわれる。文化遺産とは柵で囲われて外から眺めるものだ、と固定観念が作られているからだろうか。
売店のピザは巨大で、一切れでおなかはかなりいっぱいになる。厚紙に載せられて差し出されるそれを食べながら歩き回ると、単に見て回るより少し自分が周りに溶け込んだような気分に・・・・なろうとしたがあまり変わらない。でもピザはうまい。どこへ行っても、買い食いは旅行の醍醐味のひとつだ。