イスラエルのウェイター、ウェイトレスの多くは給料をもらわずに客からのチップのみで生計をまかなっている。そのために食事の際には必ず食費の10%強をチップとしてテーブルに残すのが習慣だ。こいつは観光客だな、と目をつけられた場合は丁寧にその事実を指摘してくれる。僕はそういう話を聞いてついウェイトレスに同情してしまい、20%くらいのチップを残してしまったりする。それでも接客態度(日本のサービスを基準にすれば、「やる気ゼロ、愛想はそこそこ、客を客とも思わない」くらい)が変わらないところが気に入っている。
仕事仲間と食事に出かけた際、仲間の一人が経験なユダヤ教徒であるためにKosherな食事(ユダヤ教の教えに沿った食事)をとる。Kosherとは何ぞや、はここで。要するにいろいろな決まりを守らなければいけない。
右下に見えるのがKosharの認定証。これがない限り、件の同僚は決してレストランで食事をとらない。日本に出張したら苦労するだろうな、と話したら野菜なら現地調達で大丈夫だ、ときた。きゅうりとトマトで養ってやろう。
テルアビブで最も評判のよいKosherレストラン、Brunoへ。日本と同じく、メニューの表紙だけ英語で中身は現地語=ヘブライ語。数字がなければいまだに上下の区別がすぐにはつかない。
この写真は前菜を写したものです。前菜です。Pita breadと色とりどりの小皿、ワイン、ビール、全部食べ放題で前菜です。繰り返しますが、前菜です。
次に中菜が来ます。ラザニアです。小さく見えますが、横に野菜がついていれば日本のレストランで1500円請求できます。
ついにメインディッシュが来ます。ステーキです。日本のレストランでは写真の肉の下半分だけを出して「特大」と表示できます。でかすぎ、でもすごく美味い。夕食に限らず、朝食、昼食、全てこのボリュームにパワーアップして提供されるのです。アメリカでの食事をヘルシーに、おいしくしたらイスラエルの食事になりますな。老若男女関係なく平気な顔してこれを食います。
デザートも当然あります。メロンのスープ(絞った果汁)+シャーベット。もちろん、横のスプーンは「フルサイズ」です。
レストランは50階建てのビルにある。ダイ・ハードみたくテロリストが爆弾を仕掛けないよう、ピストルを持った警備員が車を一台一台チェックする。
上のKosher食はとても美味しい(量多いけど)、何の変哲も無いように見えるぞ、とまくし立てたら「肉と牛乳を一緒に使わない」と切りかえされた。そういわれれば、ラザニアにはチーズが無かったし、バターは使われていなかった。しかしKosherが宗教の教えに従っているといっても、健康的な食生活をとれ、とまでは規定していないのだな、とひとつ勉強した。