値段のつけ方

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このご時世にこのような値段設定を行う店とはいかがなものか、たかがロースカツ定食に5,000円。味はそこそこ、店員愛想なし、ただ値段高いだけ、だったらどうしよう、そうであってほしいなあ本当においしかったらがっかりするなあとどきどきしつつもまだ店に入っていない。
これまでにそんなささやかな願望を満たしてくれた店はひとつだけある。大阪・梅田にあるステーキ屋ヒXXエだ。場末、すえた、行き止まり、哀愁、そんな言葉が壁のしみひとつひとつを形成している、バカ高く愛想が無くまあまあの味を誇る店だった。

安くていいもの、というスローガンはいやになった。いいものは値段が高くあるべきだ。安いものはどこかにしわ寄せがいっている。耐久性だったり、個性だったり、関わった人のストレスだったり、買い手に見えないだけで歪みがどこかに隠されている。安くて粗悪なもの、高くていいもの、という健全なバランスを社会が取り戻すために(そんなことは永遠になさそうだ、と思いつつ)ここは高くて粗悪なもの、をいったん受け入れてみましょう。今でもいっぱい受け入れているけど自覚していないそういう不条理なものを、いったん自覚して愛でてみればいい。そうやって極端なものから極端なものへと触れることでちょうど良い点が見つかればいいなあと考えます。

なんでこう考えるかというと自分の仕事が「高くて粗悪」に入っているのではないか、との疑問が一向に消えないからだろう

か?

今日のBGMはバック・トゥ・ザ80’s.
Cyndi Lauper : True Colors
David Lee Roth : California Girls
Madonna : Crazy for You
Night Ranger : Four in the Morning
Peter Gabriel & Kate Bush : Don’t Give Up
Suzanne Vega : Tom’s Diner
Vangelis : Blade Runner
Sting : Russians

有名どころに混じってぽつりと(一般には)わけのわからないバンド、曲が入っていたりするところがリアルに80年代を過ごした証拠となります。