Dead Sea

懲りも無くイスラエルからの写真をアップし続けます。
今回は死海。小学校の社会科の教科書で必ず紹介された「人が浮かべる湖」である。塩分濃度が以上に高くて、浮かべるけど何も生き物が住んでいないので死の海、と呼ばれる。ここでは船を作っても船底がすぐに溶けるし、1時間以上水につかると皮膚が溶けるし、くそ暑いのでアイスクリームもすぐに溶けるし、人も弛緩し切って溶けている。溶ける土地、英語で言うとMelting Potとはこのことか。
とにかく太陽の光の強さは「暴力」という形容詞が似合う。

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死海のもうひとつの特徴は世界で一番低い土地にあることだ。マイナス400m。エルサレムからの路上でゼロ地点を突破したあと、ひたすら下り道が続く。

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しかし下りきったところで、低地もしくは盆地に来た、という感慨はない。さらにごつい岩山が続くので高さの感覚がおかしくなってくる。400m下ったはずなのに。右の白い岩肌にぽつりとあいた穴はかの有名な死海文書が発見された洞窟だそうだ。あまりにも無造作にほったらかされているのでどう反応していいかわからない。機関銃を構えた兵隊の(一見)ものものしさと、こうした無造作さが同居するのはなんだか矛盾しているようで、よく見ると結構調和している。
日本の(一見)平和な風景とビルの正面玄関に張られる「特別警戒中」の垂れ札が調和しているのと同じような感じだ。一見両極端に見えて、根っこは一緒、という調和の仕方。

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死海の浜辺に。向こう側に見えるのはヨルダン。暑い、としか言いようがない。

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食事。Hummus, Hummus, またHummus(ひよこ豆のペースト)。これとパンさえあれば確かに他にはいらない。

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死海の泥はとにかくミネラルが豊富なため化粧品や薬品に使われる。このように泥を塗りたくって全身パックをやるのもよい。泥パックは現地でやるなら無料。

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浮くべし。

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湖側から眺めると岩肌が迫る。以前紹介したMasadaの砦もこのすぐ近くにある。ここで山登りするのはかなりのサバイバルゲームになりそうだ。

全体的に気の抜けたリゾートでとてもよい。質素だけど貧乏くさくない。たいした設備もないけど来る人はみな楽しんでいる。こうあるべきだ。