Who’s gonna be blamed

Euro2004で白熱した試合が続く中、負けたチームは怒りの捌け口を求める。
イングランドがポルトガルに負けた原因は何か、という調査がYahoo! UKにあったのでやってみた。
結果(6月30日時点)
ベッカムがPKを外したから                         :12658票(41%)
ジェラードとスコールズを途中で交代させたから               :3109票(10%)
終盤のソル・キャンベルのゴールがファウルで取り消されたから        :11328票(36%)
ディフェンダーのテリーが注意散漫で点を入れられたから           :935票(3%)
ポルトガルのポスティーガ(同点を決めた)が調子よすぎたから        :3022票(10%)
(僕は上から2つ目に入れた。一番無難そうだったから。。。)

サッカーほど勝敗を誰かや何かのせいにしづらいスポーツも少ないのではと今は思う。誰か特定の人間を責めたいのは今でもサッカー先進地域ヨーロッパでも変わらないようだ。ベッカムのような常に注目を浴びる選手は、神か悪魔かどちらかの扱いしか受けない。彼は6年前のワールドカップでアルゼンチンと対決したとき、相手チームのシメオネに暴行を加えたという罪状で一発退場になった。実際はシメオネが意図的にベッカムを怒らせて、審判に大げさにアピールしたのだが。

で、10人になったイングランドはPK戦の末アルゼンチンに負けて、ベッカムは本国のメディアで信じられないくらいぼろかすに攻撃されていた。ベッカムをかばって、シメオネの汚さを攻撃するのがサポーターの仕事なのではないのか。
なんちゅう大人気ないことをするのだろう、サッカーは紳士のスポーツだなんてどこの誰が言っているんだ(特殊部隊くずれのちんぴらにユニフォームを着せただけ、としか思えないあのフーリガンと紳士がどこで結びつくのだろう)、と思った。

今回もまた、ベッカムはぼろかすに言われる。でも彼は6年前にもそれ以上の罵声を受けながら成長した。今回もやりすごすだろう。
ハンサムで(見ればわかる)
才能がありすぎて(どんなひねくれモノでも、彼のフリーキックはすごいと認める)
超人的に打たれ強くて(何度もぼろかすに言われた)
しかも常に成長しようとする(マンチェスターUで王様だったのに、それを捨ててレアル・マドリードでプレーした)
こういう人を見ていると「天は2物を与えず」は嘘だと思う。1物を持っている人は2物目も、3物目も引き寄せることができる。何も努力しない人間は「1物」とは何かすら知らないままだから、2物目を得る可能性があってもそれが見えなくて素通りしてしまう。

目立つ人間に罵声を浴びせる人たちは、そうすることで彼または彼女を引きずり下ろすどころかより目立たせて、強くしていることもあることを知っているだろうか。あるいは本当に引きずり下ろしてしまったら困るのは自分たちだ、とわかってやっているのだろうか。「俺はあいつのためを思って厳しいことを言ってるんだよ」と大義名分を掲げて罵声を浴びせる人間は、当人から感謝されるどころか、相手にされていないことを自覚しているだろうか。どのパターンも、対象に依存しているからこそできる行為だ。

だいぶ話がそれました。何の話をしているのだろう?