今回は告白モードに入ります。写真はまた後日。
子供の頃、映画やアニメを見て憧れた登場人物は主人公ではない。かっこいいと思うのは常に、理知的でクールに振舞う一匹狼だった。ガッチャマンでいえばコンドルのジョー、オバQでいえばドロンパ、スター・ウォーズでいえばハン・ソロ、Heroでいえば残剣。ムーミンを見てこなかったのはスナフキンというキャラに感情移入しすぎるのが怖かったからだろうか、とふと思った。
なぜそのようなキャラクターに憧れたのか、理由は単純だ。手を汚さずに、力を入れずに、傷つかずに、頭をつかって彼らはうまいこと人生を渡っているからだ。自分にほんのすこし何かが加わるだけで、ああなれる、という幻想に浸ることが出来た。
では現実の自分のキャラはなんだったのだろう?ドラえもん(正しく変換できてしまった。名詞として定着したのですね)でいえば貧乏で要領が悪いスネ夫だ。
うーむ、我ながらこれではあまりにも救いがない。故藤子不二夫先生も「それは勘弁してくれ」と墓から化けて出てきそうだ。では「貧乏で要領が悪いけど背が少し高くていやみを言わないスネ夫」。 ・・・スネ夫の呪縛は強い。
しかしここで改めてのびた君の素晴らしさに気づいた。彼は感情を素直に出せるのだ。泣くにしろ、笑うにしろ。そして周りの人間に対して何も期待をしない。これがどれだけ素晴らしいことなのか、今ならわかる。藤子先生はのびた君というキャラの素晴らしさを知った上で、漫画にしたのだ。ありがとう。もう一度読み返したくなった。
では現在はどのような人間に憧れるのか?ドラえもんでいえばジャイアンを倒したのびた君、だ。確か第六巻に載っていたと思うが、ドラえもんが未来に帰ることを知ったのびた君がドラえもんを安心させるため、ジャイアンに決闘を挑んで自分で生きていけることを示そうとするエピソードがある。今まで読んだどんな漫画も、あの感動を超えることはない。