宝塚&大阪&名古屋&京都ツアーの供として、この本を読んでいる。
IQに代表される従来の知性の尺度よりも、感情をどのようにとらえて処理するか、の能力の差の方が実社会でうまくいくかどうかを左右する、というのが主旨(だと思われる)。戦争から兄弟げんかまで実社会で起こるトラブルの90%くらいは感情論で始まるようなのでまったくそのとおり、と激しく同意しながら読んでいる。脳の構造(どの部位がどのような感情のコントロールを司るか)から始まって実用的な感情の処理方法まで幅広く書かれており、とても興味深い。
怒りや悲しみなどのネガティブな感情をコントロールする方法として、まずは自分がどんなときにどのような状態になるかを「知る」ことこそが最も有効な手段なのではないだろうか、と漠然と考えていたことを後押ししてくれそうな感じだ。知った上で、まずはそれらの感情と一緒にいる(つきあってみる)ことで徐々に感情がほぐれていくのを、少しずつだが体験している。感情を自分の中にいるもう1人の自分、ととらえてそれと仲良くなる、というイメージだ。そういう他人が他に何人もいる、というとなにやら怪しい感じがするが。同意するわけでも、従うわけでもなく、ただ相手の主張をまずは聞いて見る、という方法は自分の感情に対してだけでなく、人とのコミュニケーションにも通じるはずだ。ややこしく考えてしまうこれらの感情の問題も、整理して見れば単純なことで、それに気づかないだけなのだろうか、だとしたらずるしてでもとっとと知ってしまいたいな、と読みながら考えています。