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毎日更新ではなく「ほぼ日」更新だからしかたない、としましょう・・
とあきらめていたら、日付をごまかして15日に発行したことにできてしまうようだ。やっちゃえ。
厚木商工会議所まで、千葉麗子さんの講演を聴いてきた。
アイドルとしての活動は何一つ知らないが、広告批評傑作大会で彼女のインタビュー記事「確かアイドルから実業家へ転身、とかだったと思う」を読んで何者だろう、と興味を持って名前はずっと頭に残っていた。当時まだ会社を立ち上げて間もないころだったと思うが、10年間会社を経営しています、という態度で受け答えしていつつもナチュラルな愛嬌を振りまいていたのが印象に残っていた。
その後気に掛けることはなかったけど、伊藤穣一氏との共著で本を書いていたのを最近発見して「おお」と再認識した。
ところが講演の最初にまず出てきたのは役所の「偉い人」の挨拶だ。商工会議所が主催するSohoに関連した講演だからしょうがないのだろうけど、そのおじさんがしゃべっている間に考えていたことは:
「おめえの話はどうでもいいから早いとこ本題に入れやこっちはわざわざ本厚木などという町はずれまできてやっているというのにそれが客への誠意になると本気で思っているのか昨夜役所で3時間かけて挨拶を考えてきたんだろうがその努力も含めてお前の存在全てが無駄だ暇でしょうがないのは認めてやるが俺たちに迷惑をかけるなこのくそ忙しい世の中で最も大切な資産は時間だそれを食いつぶしていることを50何年かけてもわからないのか」
こんな失礼きわまりないのがどろどろと出てきて止まらない。続いて市役所の方による厚木のSoho支援についての説明があり、これは許せる(というよりそれを浸透させることが主旨だろうから)ので聞いていたが延々と20分経過した時点で上記のどろどろが復活した。
肝心の講演だったが、「本や雑誌でいろいろと言っている起業の心得を実際に経験してきた人間を目の当たりにする」という実は貴重な体験だった。自分の生い立ちと経験をストレートに話すことで観客の注意はくぎ付けになりっぱなしだ。アイドル→社長という経験は確かに珍しいのだろうけど、それ以上に彼女の話から見えてくるのは「自分の経験したこと、学んだこと全てを事業の肥やしにする」という姿勢と「ITと呼ばれるものはツールとしてとんでもなく便利だけど、結局は人との関わりあいにこそ生きる充実や楽しみがある」という格言だ。
彼女のキャリアについては、現在にいたるまでなにかはっきりとした流れが見える。
小さい事務所に所属してアイドルとして活動する(ベンチャー企業のやりかたを学ぶ)→独立を考える(自分を自分でプロデュースすることを覚える)→TVゲームにはまる(ゲーム関連のインタビュー、連載を持つ)→PCプログラミングを学ぶ(ITの人脈ができる)→起業を勧められてはじめる
必然であるようにも偶然であるようにも見えるこの流れは、彼女が意思を持っていろいろなことを決断してきたことから産まれているのだと思う。偶然だけだとどこかで流れが途切れるだろうし、必然だけだと平坦なだけだ。自分の力で何かを切り開いていく人は、ある秩序を壊していくように見えるがそうではなく、新しい秩序を作り上げていっているのだと思う。だから後から見るとやっていることに破綻がない。恐れ入りました。
ちなみに彼女のホームページの扉についているガチャガチャでは、裏技があるらしい。根気良く試していればいいことがあるかも、と思って20回やってあきらめた。