将来のキャリアを考えよう、と参考資料を漁ると3回に1回は出てくるのが「好きなことを仕事にしよう」のスローガンだ。
何事にせよある意見が全体の中で多数派を占めそうになったときは、信憑性を一度疑ってみたほうがよい、と誰かが言っていたように(今思いついた)、そうだろうな、とも、本当にそうだろうか?とも両方の気持ちにさせられる。
自分に当てはめれば、「夢中になっていること」「旬なこと」が短くて2週間、長くて2ヶ月程度で終わるため、それらをキーワードに次の仕事を考えると、毎回考えつくことが違う。過去1年間でも次のような感じだ。括弧内が振り返り。
・テクニカルライター (正しい文法を知らない)
・プログラマー (C言語の教科書付録の問題でも最後まで書けたことが数回)
・コンサルタント (何を?)
・投資家 (金が無い)
・コーチング (本当は聞きたいんじゃなくてしゃべりたい)
「好きなこと」よりも、「やっていて嫌にならないこと」のほうが実は正解に近いのではないか、と薄々考えている。前者が突発的な恋愛だとすれば後者が結婚生活、のような感じ。好きなことにこだわると、なんか視野が狭くなってしまうような気がする。
しかしこう書いてみるとそれはそれでなにか守りに入ってしまったような、小さくまとまっているような気にさせられる。
「できること」「向いていること」「やりたいこと」「好きなこと」 − これらの言葉を使うことで、自分がそれらの言葉に対して持っているイメージに捕らえられてしまうこともあると思う。
最初に転職したときは、いろいろ考えまくった結果、最後には特に理由がはっきりせず「辞めよか」と決めた。今回も(いつかはわからんが)結局そうなる予感が少し。しかし、いろいろ考えまくる期間があればこそ、最後になんとなくだけど割合はっきりと決められるような気もする。考えるのに疲れて決めてしまえ、は自分以外の何者かが責任をとってくれるだろう、というあいまいな甘えのもとに成り立っているので、それは避けるつもりだ。前回はその要素が多分にあった。