Super Skill Transfer Project

Fujiko Sudaさんのblogエントリーで紹介されていた「暗黙知の共用化が売る力を伸ばす」を読んだ。
この本で書かれているのは日本ロシュで行われた「できる営業マンのノウハウをできない営業マンに伝える」プロジェクトの全貌だ。文書や規定になって公開されている知識ではなく、一人一人が体験を通じて得た「知恵」を伝えることについて。
特に印象に残ったのは2点。
・営業活動を「入力(専門知識、経費)」「プロセス」「出力(売上)」にわけるとするならば、中間の「プロセス」を調べて、改善しよう、という手法は以前セミナーに参加したソフトブレーン社のソリューションと共通するものがある。他であまり聞いたことがないから目立って覚えているのだけど、実はこの2社の手法が営業の改善方法としての王道を歩んでいて、他の大多数の会社はそれに気づいていないのが現状なのでは、と考えた。
・MRと呼ばれる製薬会社の営業マンが膨大な量の専門知識を学んでいる、ということ。営業する時の基本的な条件として、対象分野の知識を豊富に持っていないと、この先は生き残れないのではないか、と薄々感じていたことを裏付けてくれたみたいだった。いずれは、営業マンの人柄や、ノミュニケーションの回数や、熱意などから、専門分野の知識の有無へ最重要項目が移るのだと思う。
僕は今技術サポートという肩書きで技術面でのトラブルや質問、製品説明などを担当しているが、近い将来、これらは営業マンが必要とする能力の必須になるのだろう。最初から営業職として採用されなかったことは実に幸運だった気がしてきた。やるとすれば、「技術サポートもできる営業」より、「営業もできる技術サポート」の方がシフトとしては楽そうだ。
逆に、売上が無くて困っている営業マンは専門知識の習得に着目すると、意外と早く復活するのでは。世間では営業マンに対するいろいろなハウツー本が出ているようだけど、そこを強調している本はそれほど多くは見かけないので自信はないがこれまで出会った「できない営業」の中で、専門知識を豊富に持っている人はあまり見たことが無い。また、「できる営業」で専門知識が欠如している人は一人も見たことがない。