Softbrain

もともとはこのメールマガジンで社長の宋文洲さんとその発言が紹介されたことから興味を持って、宋氏の著作を読んでそれが異常に面白く、製品を買うあてなどとてもないくせにセミナーを聴講してきた(なんせ無料だから)。
eセールスマネージャーという企業向けの営業支援+現状分析+戦略作成ツールが売り物だ。このツールの(恐らく)すごいであろう点は営業の現実をデータベースに蓄積して分析や戦略に役立てようというその手のツールにとってあたりまえであろう機能を、現場の人間が簡単に実現できてしまうことでは、と感じた。
これはWebに例えれば従来のホームページ作成方法(従来の営業支援ソフト)と、今利用しているTypepadBloggerなどのBlog作成サービス(eセールスマネージャー)との関係に似ている気がする。
渡辺千賀さんのblogエントリーを思い出した。
”「やろうと思えばできる」のと、「ものすごく片手間に一人でプロ・ライクなサイトが作れる」の差は大きい”
難しい技術を習得しなくても、本質的な作業(Webの中身)に楽にアクセスできるのはものすごい可能性を秘めていそうでなんだかわくわくする(本質的な実力がますます問われるという意味では厳しくなるのだろう・・例えばこのblogについても・・・)

宝塚から東京に来てよかったことのひとつは、こうした催し物が年中活発に行われていて、手軽に参加できることだ。本や雑誌に掲載してあるのと同じようなことを言われるのでも、間近で聴くことで吸収の仕方ががぜん異なるのは、EA-Tokyoのセミナーでも実感した。

セミナーの中で宋文洲さんが語った内容で印象に残ったこと(記憶があやふやなので多少脚色あり):
(eセールスマネージャーは現場にとってどのような利点があるのかについて)「営業の人にとってのメリットはありません。そもそも報告を好む営業などいない。あくまでも全体にとってメリットがあるツールです。ただし、報告をあまりめんどくさくなくすることはできる」
「皆さん、必死はいけません。字を見てください。必ず死ぬんですよ」

後日営業の方からさらにいろいろな話を聞けた。そこで感じたのは、(あたりまえだが)外に対するアピールと内情はやや異なる、ということ。著作や雑誌のインタビューからは宋氏とソフトブレーンについてスマートだなあ、という印象が強く出てくるが、努力しているのですね、人3倍くらい。ついついアイデアが優れているから業績がよくなるのだ、と思い込みそうになっていたが、宋氏と彼らの本当の強さは危機感をキープして本質を見ようとする姿勢と、それをやってのける人材なのでは、と考えた(営業の人もセミナーでツールの使い方をプレゼンした人も、物腰がやわらかい、人の話をよく聞いてくれる、明確な話をする、しかし堅苦しくない、と素晴らしかった)。すごいアイデアはむしろそうした行動の蓄積の後から結果的に形作られたものなのでは、と思う。勉強になった。