Gigli

公開されたらすぐに、確実に見に行くぞ、と構えているハリウッド映画がいくつかあり、Gigliはその筆頭である。
この映画はアメリカの映画ゴシップでは最近かなり有名なBen AffleckJennifer Lopezが仲良く出演した、ロマンチックコメディ(すみません、僕もタイプしていて恥ずかしいです)。
つい最近アメリカで封切られたこの映画のすごさは、その評判と興行収入である。
映画の情報をいつも参照するIMDBサイトでは、アクセスする人が映画の採点をできるコーナーがあり”User Rating”と書かれて、評判がいい上位250の映画には、上から何番目ですよ、という情報までつく。あまりハズレを引かずに映画を見たい、と考えている人には便利だろう。しかもこの採点システムは単純に平均点が高いだけで評価はしない。投票数が多い映画には点数を高めに、少ない映画には低めに設定することでよくある「カルト映画」がむやみに上位をとらないように配慮している。
ここまではどの映画サイトでも同じようなことをやっていると思うが、IMDBの醍醐味はその逆の、「下位100傑」までもリストアップしてくれるところにある。可能な限り多くの人が、「この映画はクズだ」と判断した映画には名誉のリストアップが待っている。そしてこのGigliが、栄えある「1位」を獲得したのである。10点満点で1.5点。あのマライア・キャリーの伝記映画や、僕の個人的クソ映画一位「ストリートファイター」ですらもっとましな評価を受けている。
ここまでくると、投票した人は”Love to Hate”、あえて憎しみをぶつけているとしか思えない。
ちなみに「面白い」方のランクは、総合以外にもジャンル別に上位50個、というものがたくさんあり、これも一読をお勧めします。西部劇などの渋いランクから、インディペンデント系の濃いランクまで多様です。

次に興行収入だが、Gigliのページの左のバーから “Box office and Business“を選ぶと映画の予算、アメリカでの興行成績などが見えてこれもとても面白いです。5400万ドルかかって回収できたのは700万ドル。もちろん実際はいろいろな要素が絡むからこの数字では語れないけど、大コケしたのは確実です。ギネスブックにも載る、近年で最もコケた映画であるCutthroat Islandが、9200万ドルかけて1100万ドル。比率でいけばこれとタメをはれそうです。(もし興行成績や映画の制作費、俳優のギャラやランクについて興味がある場合は、Box Office Guruをお勧めします。ものすごく詳しくなれます。)
IMDBの「下位100傑」を順に(いずれ全て)制覇する、は暇で死にそうなときの時間つぶし案に入っている。他には月並みだがゴルゴ13一気読み、とか。
Ben と Jenniferの組み合わせは、どれほどクズであっても日本で劇場公開されるはず。こんなすごい映画を見に行かずに済むわけがない。一体どれほどの空しさと憎しみと寂しさに襲われるのか、想像もつかない。わくわくしています。