CTIで主催されているCo-Active Coachingの基礎コースを受講した。
3日間を通じての最大の収穫は、他人とコミュニケーションを取ることに関して以前より楽に対処できるようになった、と自覚できたことだ(あるいは既にできているものを初めて自覚できたのかもしれない)。コーチングのスキルを学んだ、ということより、演習形式で他の参加者と積極的に話し掛けたり話を聞いたりしつづけたことで、コミュニケーションに慣れた、というのが大きい要素だと思う。
いろいろな演習の中で一番面白かったのは、他人から見える「自分の現在のイメージ」と、「隠れているけれど実は持っていそうなイメージ」を引き出して、隠れていそうな自分をあるキャラクターに投影して、それを演じるコーナーだった。他のメンバーからの意見を聞いた結果、最も合いそうな「隠れキャラ」として僕は森田健作を選びました。演じたよ。最後まで恥ずかしかった。しかし他人から見た自分のイメージを聞くのはとてもスリリングな経験だ。
「放っておいて欲しい雰囲気を感じる」という指摘があった。要するに人と話すのが今ひとつ苦手なので、まだ読書や昼寝とかにふけっていたほうが気が楽だ、なんかクールっぽいし(阿保)、ということを繰り返してきた結果、板についてしまったようだ。結構痛い指摘なので(本人はスナフキンのつもりでも実際は病的ヲタクの方が比喩として適切だろう)今後は少しずつ変えていく努力をすることにします。
コーチングの演習を知り合いに対して行う、という宿題の報告の場で、うさんくさいと思われた、という事例がいくつかあがった。まだコーチングが日本に根付いていない以上、しばらくの間はコーチングを理解してもらうのが難しい状況が続くだろう。コンサルティングやカウンセリングですら未だにうさんくさく思われているのだからぜいたくは言えない。
コーチングを一言で言い表すことは自分にはできないし、それをやっている人を見たことも無い。ワークショップで言われたことは、定義づけに熱心になる必要は無い、どのように使っていくかは状況に応じて異なっていくことがコーチングの特徴の一つなのだから、ということだった。
なので、僕は自分にとってのコーチングとは、という観点でのみ定義をすると「考えを整理するための道具」になるだろうか。あくまでも現時点での定義、でしかないけど。また、コーチングに対して信頼を得るためにはどうしたらいいのか?という質問の答えは、「まずは他のことで相手から信頼を勝ち得ること」というのが最も有効だと思う。
僕は最初、Wyukiさんのblogを読んで、コーチングについて知った。そこからコーチングを行っている他の人たちのblogも読み、一通り巡った結果思ったことは「こういう(発言に信頼がおける、前向きな)人たちがコーチングの有効性を認めているのならば、やってみる価値があるのでは」だった。コーチングの何たるかはほとんど分かっていないままに、本(後述)を購入してCTIのワークショップに申し込み、クライアントとしてもコーチ契約を結んだ。これは本の購入方法と同じ(信頼している人が読んでいる本を読む)と同じなのだが、今回も間違いではなかった、と実感している。
今回学んだ要素のほぼ全てが解説されているCo-Active Coachingは随分前に購入して3分の1程度読んでいたのだが、あまり頭に入っていなかったのだろう、演習ではほぼ全て何も知らない状態から学ぶことができた。かえってこれでよかったのであり、もしも事前に読みこなし、理解したつもりで先入観を作っていたら、ワークショップの効果が上がっていたとは思えない。ワークショップが(入門だけど)終わった今、もう一度安心して読み返そうと思うが、あまり一字一句を追わずにエッセンスだけを吸収できる程度でいいと思う。あくまでも実践で得たことを補完する程度の役割にとどめたほうがいいだろう。念のため、本自体の出来はとんでもなく良いです。